iOS13から搭載された、画面全体の色調を暗くする『ダークモード』。
ダークモードのメリットには「目に優しい」点ばかりが挙げられがちですが、実はそれだけではありません。
電池消費量を抑え、バッテリーを長持ちさせられる効果があるのです。
この記事ではダークモードでバッテリー持ちが改善される仕組みと注意点について解説します。
iPhoneはダークモードでバッテリーの持ちが良くなる【注意点あり】
まずは
- 本当にダークモードでバッテリー持ちが良くなるのか
- 良くなるとしたらどのくらいバッテリー持ちが良くなるのか
- iPhoneなら必ずバッテリー持ちが良くなるのか
について紹介します。
ダークモードなら消費電力を最大約80%節約できる
AppleInsiderからiPhone実機でどれくらい節電ができるのかを検証した映像が公開されています。
こちらの動画中のダークモードの省エネ検証の部分をざっくりまとめます。
照度(画面の明るさ)Maxで3時間ブラウザを表示し続けた時、
- ダークモード適用前は100%→28%
のバッテリー消費に対して
- ダークモード適用後は100%→85%
でした。
ダークモード適用前が72%分の電力消費だったのに対し、ダークモード適用後は15%分しか電力を消費していません。
消費電力の差は実に57%分、バッテリー消費を約80%節約したのです。
すごい差ですよね!
ダークモードの省エネ性はGoogleからもお墨付き
またこれは経験的な話ではなく、Googleからも同様の見解が発表されています。
2018年のAndroid Dev Summitにて、「照度が最大の時、黒の表現が最も電力を消費しない」という旨の報告がありました。
【注意点】有機ELディスプレイの機種のみ有効【搭載iPhoneまとめ】
ここで一つ残念なお知らせがあります。
ダークモードで劇的な省エネ性を享受できるのは『有機EL』のディスプレイを搭載したiPhoneだけなのです。
液晶ディスプレイ搭載のiPhoneでは、ダークモードでの電池持ちはあまり変わらないようです。
というわけで有機EL搭載のiPhoneをここにまとめておきますね(2019年10月16日現在)。
- iPhone X
- iPhone XS
- iPhone XS Max
- iPhone 11 Pro
- iPhone 11 Pro Max
iPhoneがダークモードでバッテリー持ちが良くなる理由
ここからは
- iPhoneをダークモードにすることでバッテリーの電力消費を減らせる理由
- 液晶ディスプレイより有機ELディスプレイの方が省エネ効果が高い理由
についてお話します。
有機ELは黒を光らせずに再現するので、ダークモードでの省エネ効果が高い
有機ELの特徴の一つに『画像の粒一つ一つ(1画素ごと)が発光する』点があります。
この特徴によって有機ELディスプレイ搭載スマホはベゼルをより狭くできたり、画面内に指紋認証モジュールを置く事ができたりと様々なメリットがあります。
そのメリットの一つが省エネ性で、有機ELは通電しないことにより黒を表現するのです。
つまり画面が黒ければ黒いほど省電力となりますし、真っ黒を映している素子は全く電力を消費しません。
スマートフォンのバッテリー消費の最大の原因はディスプレイ。
有機ELとダークモードの相性がいい、というのはここからきているのですね。
液晶は黒でも光らせて表現するので、ダークモードでの省エネ効果が低い
液晶ディスプレイは、有機ELとは違いバックライトから出た光をカラーフィルターを通ることで色を表現します。
そのため黒色を表現する場合であっても、他の色の場合と同様に電力を消費するためダークモードとの相性がそこまで良くないのです。
ダークモードの設定方法
では、iPhoneをダークモードに設定してみましょう。
iPadでの解説で恐縮ですが、iPhoneでも同様に可能です。
方法は2つです。
設定からダークモードにする
まずは『設定』から、『画面表示と明るさ』→『外観モード』でダークモードに変更可能です。
ダークモードを自動で切り替えたいときは『自動』をタップしてONにしておいて、任意の時間を選択しましょう。
コントロールセンターでダークモードにする
次はコントロールセンターからダークモードを設定する方法を紹介します。
まずコントロールセンターを呼び出し、画面の明るさ変更のバーを長押しします。
そうするとダークモードの選択画面が出てくるので、任意の設定にしましょう。
iPhoneのダークモードはバッテリ持ちに効果あり!のまとめ
今回はダークモードがバッテリ持ちにどのような影響を与えるのかをご紹介しました。
- ダークモードに設定することで、バッテリ持ちがよくなる
- 最大で80%省エネになったという報告がある
- Googleもその効果を認めている
- ただその恩恵を受けられるのは『有機EL ディスプレイ』搭載機種のみ
- ダークモードにする方法は二種類ある
ダークモードは「目に優しい」だけの機能ではない、ということがおわかりいただけたと思います。
ダークモードを効果的に使って、より良いiPhoneライフを送りましょう!